色々・・・

身近なものに愛着を♡

美術館通いが好きになるきっかけ、感動の一枚_西山翠嶂「牛買ひ」

図画工作のうち、工作の方は大好きでしたが

絵を描くのはどうも苦手です。

漫画などをすらすら描けるお友達がうらやましかった。

絵心というものがないのでしょうね。

夫の方は、小さい時から賞を貰うほどの腕前

下手な私から見れば、たまに描いてくれる絵は大変上手に思えます。

そんな夫に、頻繁に美術館へ付き合わされます。

旅行に行っても必ず美術館を行程に入れるほどです。

日本画には好きな作家が何人かいますが

西洋の油絵なんぞいったいどこがいいんだろう?ぐらいに思っていた私。

一点一点丁寧に見入る夫のそばで、私はほとんど退屈していました。

それがですね・・・

この西山翠嶂(にしやますいしょう)の「牛買ひ」に出会った時のこと。

この絵から、立ち去ることができない。釘付けになってしまい

かなりの長い時間、この絵の前で立ち尽くしていました。

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  【1934年(昭和9年)絹本着色 109×144 第15回帝展】

 

なるほど・・・

人が皆美術館へ足を運ぶのは、こんな感動が味わえるからなのだ・・・と

絵を観る楽しみというものを完璧に解った瞬間に思えました。

ご覧のとおり、大変地味です。「感動の一枚」というタイトルにしてはドン引き?

海を背景に砂地をいく牛の親子と白い後ろ姿

遠くに細い月がぽつん

しかし、地味ながらも全体に広がる紺青色と手前の牛の存在感が

じわじわと私を引き止めるのです。

画集ではまったくといっていいほど、本物の色合いが再現されることはありませんが

実物はもっと奥の方まで海が深く青で染みていました。

群青と墨の薄いぼかしが、写真で表現できないのと同じぐらい

その時受けた私の感動を拙文ではお伝えしきれないのが残念><。。。

この絵を買えるとしたら、何百万円もするのでしょうか。

宝くじが当たったら買いたい

しかし、家の壁に飾るには大きすぎます。観賞用の部屋を増築しましょうか。

そんなことに耽っているうちに、ふと気付きました。

目を閉じれば、その時の絵が空想の頭の中に再現されます。

その時感じた私の感動が今も生き生きしている。

たとえ宝くじが当たっても買う必要はないのです。

本当に欲しいわけではないのです。

あの時の感動で絵画を愛でる楽しみを知った。そっちが大事

 「余韻」という言葉が気持ちを代弁してくれる。